今から10年以上前の冬、当時夫婦だった私とユカリは、乱れた性生活を送っていた。
スワッピングや乱交パーティーに飽き足らず、それぞれ浮気相手がいた。
私は、同世代のマナミと関係を持っていた。

マナミが私に病気のことを告白したのは、週末のドライブ中だった。
病名は子宮頸がん、早期に手術すれば命に別状は無いが、子どもが産めなくなるかもしれない病気だった。
子宮頸がんはHPVというウイルス感染によって引き起こされる。
そしてこのウイルスは主に性交渉によって感染する。

私はマナミとの性交渉は必ず避妊具を装着している。
いわゆる「生挿入」は一瞬たりとしたことが無い。
推定で申し訳ないが、感染源は私とは違う男性だろう。
Aさんかもしれないと思った。

Aさんはマナミの仕事上の上司であり、既婚者だった。
Aさんは今の職場を辞め、独立して新会社を設立することを目論み、マナミも参加するように誘っていた。

私は、Aさんは病気のことを知っているのかをマナミに聞いた。
マナミは、Aさんに新会社設立の忙しくなるから早期に手術をして欲しい言われた、と答えた。

私は、Aさんと別れて、決して今の職場を辞めないように言った。
マナミの人生を取り戻す絶好の機会だと伝えた。

しかし、マナミは私の提案に同意しなかった。
Aさんの設立する新会社に移籍すると言った。

私とマナミは、関係を清算することにした。
季節は真冬だった。